10 分 解 説

 

新規植物栄養剤(ソムレ)について

 

●1:名前の由来および新規栄養剤ソムレとは、どのようなものですか?

○答1:発明者の染井正徳(Somei, ソメイ)と根(Root)の伸長を促進する(Elongation)効果の3文字から、SOM-R-Eを組み合わせて、英語名はSOMRE, 片仮名はソムレと命名しました。漢字は、甦群列と書き、砂漠のような悪条件でも、食用植物や様々な植物が、群れとなり列となって甦る、という願いを込めて命名しました。

○答2:ソムレは、我々が食事ごとに体内に摂取する食物を構成する必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンが、我々の体の中で代謝されて生成する化学物質を基本構造として持つ、安全性の高い有機化合物です。

 

●2:「新規栄養剤(ソムレ)を用いた野菜の発根率改善および収穫増」研究の目的

○答1:異常気象や干ばつによる水不足で、食用植物が育たないため、食料生産量が不足する一方、人口の増加は確実に起こるため、世界で深刻な食料不足が、近い将来起こることが予測されています。現時点でも、特にアフリカでは世界に先駆けて食料不足が進行しており、動物を含め人々の、飢餓による惨状は目を覆うばかりです。

解決策は、食料、青果物を増産するしかありません。現在の生産高をたった1割増収させるだけでも、多くの人、動物の命を救うことができます。しかし、地球表面上の農耕地の広さには限界があるため、食料増収を図る方法は、以下の2種類しかありません。

第一に、貴重な種子の発根率を高めること。第二に、植物個体や、実や根の収穫量を上げること、です。

○答2:ソムレは、発根率を改善します。具体的には、ある年に、種子を100粒撒いて、これまでの通常の方法で60粒発根したとします(発根率60%)。育った植物1本当たりの通常の収穫量が100 gだとしますと、その年の全収穫量は、60x100=6,000 gです。ソムレ処理により、発根率が80%に改善されたら、植物1本当たりの収穫量が同じ100 gでも、その年の全収穫量は、80x100=8,000 gになり、2,000 gも増収できます。

さらにソムレは、収穫量も改善しますので、植物1本当たりの収穫量が1割改善されて、

110 gになったとしますと、その年の全収穫量は、80x110=8,800 gになります。こうして限られた耕作地から、効率よく食料、青果物を生産出来、たくさんの命を救うことができます。

●3:ソムレにつきましては、砂漠地とか不毛の土地において発根が長く地下水まで届き、緑の地にという認識でありましたが、食料増産にも使えますか?

○答1:種子または苗を、1.00.001 ppmの濃度(植物により適切な濃度は変わります)のソムレ水溶液に約1時間浸漬後、畑に移して育てた植物の根の長さ、太さは、普通に育てた同じ植物の場合と比較して、根長は1.13.0倍、太さは1.11.5倍にもなり、根を丈夫にします

丈夫な根は、地中のミネラルや栄養分の吸収をこれまで以上に活発にするので、植物個体や実や果実の収穫量が上がり、実はおいしくなります。根を食料にする野菜や根菜は、大きく太くなり、増収がもたらされます。

○答2:2012年夏までに試みた野菜、例えば、米(コシヒカリ、日本晴)、きうり、なす、茶豆、とまと、ピーマン、ほうれん草、青首宮重大根、ジャガイモ、サツマイモ、小松菜、ホウレンソウ、ゴーヤ、なた豆、落花生、ブロッコリー、陸ワカメ、ツル紫、他、全てで収穫増が認められました。ただし、現在のところ、ネギでは対照と比べ良い結果は得られていません。

 ○答3: 発根試験の方は、冬期を除けば、どんどん実験出来ますので、上記以外の様々な種子、例えば、松やドングリや、芝を試み、様々な種子の発根率が改善されることを確認しています。

○答4:挿し木でも発根率が上がりますので、色々な応用が利くと考えています。

 

畑を借りて実験していますが、年に1回しか育てられないので、一人ではなかなか色々な種類の野菜の収穫までのデータを蓄積できませんので、今後協力者がおれば良いな、と考えています。

 

 

●「砂漠の緑地化」研究の目的

○答1:黄砂の発生阻止、食料増産、地球温暖化の阻止が3大目的です。以下がその根拠です。

○答2:ソムレ水溶液は植物の根を長くするため、ソムレ処理された種子や苗木から育った根は、地下水分が存在する深部地下に届くために、通常に育てた短い根の植物が枯れてしまうような渇水時や乾燥した土地でも、枯れにくく育ちます。典型的な例が、砂漠であります。中国内モンゴルのゴビ砂漠(正確にはその一部のテンゲル砂漠)でのソムレ水溶液処理した現地自生の砂漠植物種子を用いた実験では、通常の3倍も長い根が伸びて活着しました。ソムレが砂漠緑化に適している理由です。

○答3:ソムレで植物根や種子を処理すれば、地下水をポンプでくみ上げ、地上に散水する愚を侵すことなく、自然の雨のみで、ゴビ砂漠で植物が育つことを、我々は証明しています。

○答4:砂漠が緑化されると、黄砂発生が止まります。砂漠表面温度が下がり、雲を呼び雨が戻ってきます。さらに緑化が進み、広大な砂漠で植物が二酸化炭素を吸収し始めます。膨大な量の二酸化炭素が炭酸同化作用により、植物体に変換され、地球温暖化を止めることができます。酸素も供給されて、オゾン層破壊の修復にも役立ちます。

○答5:砂漠緑化植物の一部として、食用植物や漢方薬用植物を採用することにより、将来は砂漠を食料基地や薬用植物基地に変えることができ、地球上の食料問題を解決できます

 

 

●今後の展開は?

○答1:ソムレ処理により、ジャトロファ、ケナフ、ニームの生育にも改善が認められました

ジャトロファは、石油に代わるエネルギー資源として、世界中でその効率よい育成方法が模索されています。ケナフは成長が早く、エコな紙の生産に役立つと考えられています。ニームは天然の農薬として、今後の農業生産に大活躍することが期待されています。これらの繁茂生産にソムレを実用化して、エネルギー問題、植物の保護、農薬問題の解決を目指します。

答2:根がしっかり育ち、石や土を抱き込みますので、防潮林、防砂林、防風林の造成、森林の造成、がけ崩れ、法面保護、花卉等の育成、水溶性植物の育成による海水淡水の浄化、絶滅危惧植物の増殖繁茂による普通の植物への回復、等にも応用できると考え、これらへの展開を考えています。

 

●結び

以上述べたように、新規植物栄養剤(ソムレ)を用いた野菜の発根率改善および収穫増、砂漠の緑地化についての、基礎実験の成功データを持っております

今後、広い畑での圃場実験、食料増産実験へと展開したいと考えています。ゴビ砂漠では、多くの人のご協力により、ヒコーキからソムレ処理した現地自生の種子を空中散布する実験を、2010620日に実施しました。その結果が期待されます。

ソムレを「地球の薬」として実用化できたら、日本のみならず世界の食料事情を安定化させ、地球温暖化を止め、世界の平和をも実現するという、初期の目的に近づけるであろう、と考えています。

 

詳細データは、日本から発信されている下記の国際学術雑誌に、学術論文として掲載されていますので、ご覧ください。

1. M. Somei, Indole Chemistry for Combating Yellow Sand and Desertification Directed towards Stopping Global Warming, Heterocycles, 2011, 82, 1007-1027.

 

ゴビ砂漠流動砂丘に於て、2010年6月20日、一気に広大な範囲を緑化するため、世界初の試み、即ち、ソムレ処理した現地自生の植物種子の空中散布を実施した。